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第103回:「コレクティブ・インパクトでビジネスを変える」

第103回:「コレクティブ・インパクトでビジネスを変える」

2017年2月21日(火)午後7時から「コレクティブ・インパクトとは?」「陶山さんのお話を聴きたい!」と、経営者、NPO代表・職員、ビジネスパーソン、産業カウンセラー、金融パーソン、市民メディアプロデューサーなど23名が集い、対話しました。(感謝!)

◆第103回:「コレクティブ・インパクトでビジネスを変える ~なぜ私が経産省を辞めて取り組みたかったもの」

☆ゲストスピーチ&質疑応答
陶山 祐司(すやま・ゆうじ)さん(インクルージョン・ジャパン=ICJ)
http://inclusionjapan.com/

人結びの場 【自己紹介】
 より良い社会づくりをしたいと思い、東京大学では倫理学を専攻しました。小学校2年から大学2年まで野球小僧で野球のことしか考えない人生でしたが、ケガで野球を辞めた後、バックパッカーとして世界中を回ったりしました。ナンパされるように経済産業省に入省しました。

 震災及び原発事故を踏まえた中長期のエネルギー政策の企画立案や、電機産業の競争力強化、新産業の創出促進を担当しました。これらの分野の苦境を見るにつけ、それぞれの分野特有の課題ではなく共通した原因があり、政策の作り方も変わらなければならないと思うようになりました。

 そこで、経済産業省を退職し、3人目のメンバーとしてインクルージョン・ジャパン株式会社に参画しました。

【現在の社会情勢】
 ITを始めとする技術革新、グローバリゼーション、国際関係の変容、少子高齢化の影響が大きく、「不安定・不確実・複雑・曖昧模糊」の時代になっています。

 社会と組織のかい離が起こっています。大組織にいると現場がわからなくなります。
 一つは、生態系の変化。社会の変化スピードとシンクロして社会とのつながり感を失っています。もう一つは、中間層の喪失と仕事の倦怠化です。新卒ができる単純な仕事がなくなっており、AIや機械による代替が行われています。一部層のみが創造的な仕事をしています。

 より広範な世界観を捉えられる話し合いの場が必要だと思います。

【今の仕事と活動での問題意識】
 今の仕事は、ベンチャーキャピタリスト(働く株主)、コンサルタント(大企業のイノベーション)、デザイナー(対話の場の企画・運営)、プロボノ(NPO等のプロジェクトの立ち上げ)、プロフェッショナルコーチ(一歩踏み出す人のサポート)です。

 これまでの活動を通じての問題意識は、行政とその他領域とのかい離もありますし、ビジネスですべてができるわけではありません。事業立ち上げの人材は不足しており、資源分配の問題を感じています。
 政治・行政は人数を競うシステム、ビジネスは金額を競うシステム、ソーシャルは笑顔を集めるシステムだと思います。

【コレクティブ・インパクトの手法】
 社会課題は、多様な分野の問題解決が必要で、ひとつの組織の力だけで解決できるものではなく、行政や企業、NPOや市民などの各セクターが、垣根を越えてそれぞれの得意なノウハウを持ち寄って、協働して課題に働きかけることで、総合的な社会変革を目指すアプローチ。

 代表例は、アメリカのStrive Together(300以上の団体が大学援助に関わるコミュニティ)があります。日本の取り組み事例はEdcampJapan(自発的な教師のためのカンファレンス)、高齢者の介護・看取り問題、宇宙資源開発事業の創出などがあります。

【コレクティブ・インパクトで成果を出すための5指標】
1 共通のアジェンダ:すべての参加者がビジョンを共有していること
→ビジョンの仮設検証
2 評価システムの共有:取り組み全体と主体個々の取り組みを評価するシステムを共有していること
→仮説検証システムの構築
3 活動をお互いに補強しあう:各自強みを生かすことで、活動を補完し合い、連動できていること
→チームビルディング
4 継続的なコミュニケーション:常に継続的にコミュニケーションが行われていること
→コミュニケーションスタイルの確立
5 活動を支える組織:活動全体をサポートする専任のチームがあること
→組織としての立ち上げ

【コレクティブ・インパクトに必要なもの】
 成功するプロジェクトは、情熱を燃やし社内を巻き込む。情熱を継続させる。実験と対話、振り返りをくり返すことです。
 必要なものは、「エネルギー(気合・根性)とスピード感」「目的意識と目標意識」「一歩踏み出す勇気」「異なる背景を持つ人との対話」「人に対する感謝」だと思います。  


◇人むすびカフェ ファシリテーター 角田 知行さん

人結びの場 今日のお題は、「陶山さんのお話を聞いて、明日からやってみたい、試してみたい、考えてみたいことは何ですか?」自身の活動と照らしあわせ、再確認ができた方が多くいらっしゃいました。

終了後のご感想を一部、紹介します。


・人はビジョンに集まる。
・ではどう人が変わるか⇒ビジョンの共有が人を動かすのかな。
・組織の壁をこえるのは情熱!!
・人を巻き込むと楽しい⇒自分ごとに捉える。そのためにはPDCAを高速で回す。
・スピード感、仮説と検証(失敗はない、全て次につながる)
・行政はビジネスの声が聞こえていないので、そこにソーシャルの価値がある。
・ソーシャルは笑顔を集める(のが指標) 等


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