第68回:「社会を変える『コミュニティ・オーガナイジング』って何?」
2014年3月18日(火)午後7時から「コミュニティ・オーガナイジングって?」「リーダーシップを引き出すには?」に関心深い中小企業診断士、自治体職員、団体職員、大学教員・講師、NPO代表・職員、金融パーソン、ビジネスパーソン、教育事業関係者、環境カウンセラーなど31名の場づくり人が集い、対話しました。(感謝!)
普通の市民が、みんなの力で社会を変えていく「コミュニティ・オーガナイジング」という取り組みが今、とても注目を集めています。
新年のNHK番組「クローズアップ現代」の「未来をひらく」特集で、「“物語”の力が社会を変える」の題でコミュニティ・オーガナイジングが紹介されたのをきっかけに、世間に広く知られるようになりました。
(番組の説明・動画 )
代表の鎌田華乃子さんたちと日本でNPOを立ち上げた池本修吾さんからお話を伺い、対話しました。
◆第68回:「社会を変える『コミュニティ・オーガナイジング』って何? ~ 一人ひとりがリーダーシップを発揮していくための“物語”手法」
☆ゲストスピーチ&質疑応答
池本 修悟(いけもと・しゅうご)さん(NPO「コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン」副代表・事務局長)
大阪出身で大学時代に阪神淡路大震災を経験しました。在学中に仲間たちと創造支援工房FACEを立ち上げ、大学院に進み「NPOが社会を動かすことができる時代」と、NPO「NPO事業サポートセンター」に入り、NPO活動を中心に地域活性化の活動を行っています。
NPO「新しい公共をつくる市民キャビネット」ではNPOを支援して東日本大震災の復興に関わり、山田町でのNPOの復興予算の使い方の杜撰さを目にするうち、NPOの人材育成の必要性を強く感じたのが、NPO「コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン」を立ち上げていく動機となっています。
【コミュニティ・オーガナイジングとは】
1900年代頃から社会的弱者(女性、労働者、移民、有色人種)の声を社会に届ける取り組みとしてアメリカで始められました。
1人1人の市民の力を合わせ、社会変化を起こす取り組みとして、アメリカのみならずヨーロッパ、 南米、中東、アジアに展開しています。欧米には、「コミュニティ・オーガナイザー」という職があり、派遣されています。
私たちは、コミュニティ・オーガナイジングを体系的に学べる様にしたハーバード大学ガンツ博士のメソッドで教えています。
【ワークショップについて】
ハーバードケネディスクールでガンツ博士が一学期半かけて教えられている、コミュニティ・オーガナイジングを2日半で教えています。
この手法は、2008年のオバマ・キャンペーンにて開発されたもので、現在もガンツ博士と教え子達が全米のNPO、 NGO、学校向けに毎年50件近く実施しています。中東、ヨーロッパ、中国でも実施されています。
学ぶことは、「パブリックナラティブ」「関係構築」「チーム構築」「戦略」「アクション」です。
【パブリック・ナラティブ】
私の物語(ストーリー・オブ・セルフ) なぜ私は行動を思い立ったのか?
ここで、一人ひとりが「困難」(チャレンジ)「選択」「結果」を語り、リーダーシップを発揮します。
私達の物語(ストーリー・オブ・アス) 今ここにいる私たちの価値観とは何か?
コミュニティとして、私たちの価値と経験を共有します。
今の物語(ストーリー・オブ・ナウ) その価値観に対し起こっている事に今行動を起こさなければならない
戦略とアクションにつなげていきます。
【関係構築】
どのように共通のミッション、関心を持つ人と深い関係を構築できるか?
ここでは、一人とじっくり向き合い、ミーティング(30分)をします。
【チーム作り】
多様性のあるスキル、性格、資源を持つ人達と強く推進力のあるチームを作ります。
シェア・ド・パーパス(共通目標)を作っていくときは、みんなで目指せるように
【戦略】
私たちが持っている資源を生かして、私たちが欲しいものを得るための戦略をたてます。
【アクション】
変化を起こし、やる気がでるアクションを考え、ボランティアのコミットメントを得ます。
コミュニティ・オーガナイジングでは、本当に自分のことを語る強さが必要。「感情」の筋肉をきたえて共感につなげ、人を動かしていけます。
現在、NPO法人の設立準備中ですので、夏開催の講座から案内をいたします。日本にリーダーをつくり、つなげていきたいので、ぜひ応援してください!
◇人むすびカフェ ファシリテーター 角田 知行さん
今日は、「コミュニティ・オーガナイゼーションを体験しましょう」ということになり、グループで「ストーリー・オブ・セルフ」を体験しました。お題は、「今日は何で来たのか?」
当日の皆さんの感想を一部ご披露します。
・初対面の人とコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを通じて昔から知っているような感覚になれる。人と話して初めてわかることに気づくきっかけができる。
・持ちよったことの中から、何かが生まれてくるワクワク感がありました。
・やはりエゴからスタートせんと。
・人としての渇望感の再確認 リーダーとしての資質についての気づき
・ストーリー、感情を語ることで共通項出てくる!
・自分以外の人の人生観を深く共有できた。
・自分の中を周りにさらけだして本能をとりもどす。
・各人の本音、渇望感を出し合うことができ、共有点が見つかれば人はむすびつく。
・共感させる=感情の筋肉をきたえる
・チャレンジをどうとらえるかがPower
・共通点は必ずある。探す。シェアする。行動する。 等